翻訳者になるには?未経験から始めるためのステップガイド

英語が好き。日本語も好き。せっかくなら、その言語力を活かして仕事をしてみたい。——そんな方に人気なのが「翻訳者」という職業です。

しかし、未経験からどうやって翻訳者になるのか分からず、最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、翻訳業界の全体像から学習法、最初の仕事の取り方まで、翻訳者への道筋をステップ形式でご紹介します。

1. 翻訳業界の全体像を知ろう

ひと口に「翻訳」と言っても、その種類はさまざまです。主な分野は以下の3つです。

▷ 出版翻訳

書籍・小説・ノンフィクションなどを翻訳する分野。
文芸的センスや表現力が問われ、人気も高いですが、仕事を得るには経験や人脈が求められることも。

▷ 映像翻訳

映画・ドラマ・ドキュメンタリー・アニメなどの字幕翻訳や吹き替え台本を担当する分野。
セリフの長さやタイミングへの配慮が必要で、独自の技術が求められます。

▷ 産業翻訳(実務翻訳)

企業で使われるマニュアル、契約書、技術資料、ビジネス文書などの翻訳。
もっとも需要が高く、フリーランスとして安定した収入を得たい方には特におすすめの分野です。

まずは、どの分野に関心があるかを考えてみることが第一歩です。

2. 翻訳に必要なスキルと知識

翻訳者に求められるのは、単なる語学力だけではありません。以下のスキルも重要です。

  • 読解力(原文の意図を正確に理解する力)
  • 表現力・文章力(自然で伝わりやすい言葉にする力)
  • リサーチ力(専門用語や背景知識を調べる力)
  • ツールの知識(Word、Excel、PowerPoint、CATツールなど基本的なITスキル)

また、翻訳分野によっては、法律・医療・IT・自動車など専門知識が求められることもあります。

3. 翻訳を学ぶ方法

未経験から翻訳者を目指すには、まず「翻訳の学び方」を知ることが大切です。代表的な方法は以下の通りです。

▷ 翻訳講座・通信講座

  • 翻訳専門校
    分野ごとに実践的なカリキュラムがあり、添削や指導も受けられます。

▷ 書籍・独学

  • 翻訳入門書や業界本
  • 原文と訳文を見比べる訓練も有効です。

▷ 無料・低価格のオンライン教材

  • YouTubeや翻訳者のブログなども、学習者には参考になります。

大切なのは、翻訳の「型」を学び、実際に手を動かして練習することです。

4. 初めての仕事を得るには?

ある程度の学習を積んだら、次は「実務経験」を積むステージへ。最初の仕事の取り方にはいくつかの方法があります。

▷ クラウドソーシングの活用

  • ランサーズ、クラウドワークス、Gengo など
    小規模でも実績作りの場として有効です。

▷ 翻訳会社のトライアルを受ける

  • 翻訳会社の多くは、登録翻訳者を募集しています。
    サンプル翻訳(トライアル)に合格すれば、継続的な案件につながる可能性も。

未経験から翻訳の仕事を目指すなら、社内翻訳者という選択肢も

  • 翻訳の経験がまだない、あるいは少ないという方にとって、最初の仕事を得るのは簡単ではありません。そんなときは、企業で働く「社内翻訳者」のポジションに応募してみるのも一つの方法です。社員として採用されれば、安定した環境の中で実務経験を積むことができ、業界知識や専門用語への理解も自然と深まります。将来的にフリーランスを目指す場合でも、貴重なステップとなるでしょう。

▷ SNSやブログで発信する

  • 自分の学習過程や翻訳練習を発信することで、仕事につながるケースもあります。

ポイントは、「実績がないから応募できない」ではなく、「実績を作るために動く」こと。小さな一歩でも、経験になります。

まとめ:翻訳者への道は一歩ずつ

未経験でも、着実に努力を積み重ねていけば、チャンスは必ず訪れます。まずは興味のある分野を見つけ、1日10分でも翻訳に触れる習慣を始めてみましょう。

この記事を書いた人

神谷似顔絵

神谷 あきこ

1973年、静岡県浜松市生まれ。
同志社女子大学学芸学部英文学科卒。
大学卒業後、オーストラリア・シドニーのUniversity of Technology, Sydneyに1年間留学し、現地の中学・高校教員免許を取得。約2年半にわたりメルボルンの中学・高校で日本語教師として勤務。その後、シドニーに戻り、語学研修を専門とする旅行会社で約2年間コーディネーターを務める。
20代後半に故郷の浜松に戻り、派遣社員としてさまざまな企業に勤務。英文事務、海外ユーザーサポート、英語マニュアルの作成、社内技術翻訳など、英語を活かした業務に幅広く携わる。